政治資金規正法 ≪第三章の二 国会議員関係政治団体に関する特例等≫

法律

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第三章の二 国会議員関係政治団体に関する特例等

第一節 国会議員関係政治団体に関する特例

(国会議員関係政治団体)
第十九条の七 この節において「国会議員関係政治団体」とは、次に掲げる政治団体(政党及び第五条第一項各号に掲げる団体を除く。)をいう。

一 衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者である政治団体

二 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第四十一条の十八第一項第四号に該当する政治団体のうち、特定の衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者を推薦し、又は支持することを本来の目的とする政治団体

2 この節の規定(これに係る罰則を含む。)の適用については、政党の支部で、公職選挙法第十二条に規定する衆議院議員又は参議院議員に係る選挙区の区域又は選挙の行われる区域を単位として設けられるもののうち、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者が代表者であるものは、それぞれ一の前項第一号に係る国会議員関係政治団体とみなす。

(国会議員関係政治団体に係る通知)
第十九条の八 衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者は、前条第一項第二号に係る国会議員関係政治団体に該当する政治団体があるときは、当該政治団体に対し、文書で、同号に係る国会議員関係政治団体に該当するため第六条第一項又は第七条第一項の規定による届出をする必要がある旨を、遅滞なく、通知するものとする。

2 前項の規定による通知をした者は、衆議院議員又は参議院議員に係る公職の候補者でなくなつたときは、当該政治団体に対し、文書で、前条第一項第二号に係る国会議員関係政治団体に該当しなくなつたため第七条第一項の規定による届出をする必要がある旨を、遅滞なく、通知するものとする。

3 前二項の文書の様式は、総務省令で定める。

(国会議員関係政治団体に係る支出の手続)
第十九条の九 国会議員関係政治団体の会計責任者又は国会議員関係政治団体の代表者若しくは会計責任者と意思を通じて当該国会議員関係政治団体のために支出をした者に係る第十一条の規定の適用については、同条第一項中「一件五万円以上のすべての支出」とあるのは「すべての支出」と、同条第二項中「一件五万円以上の支出」とあるのは「支出」とする。

(国会議員関係政治団体の報告書の記載等)
第十九条の十 国会議員関係政治団体(第十二条第一項又は第十七条第一項の規定により報告書に記載すべき収入及び支出があつた年において国会議員関係政治団体であつたものを含む。次条から第十九条の十五までにおいて同じ。)の会計責任者が政治団体の会計責任者として行う第十二条第一項及び第二項又は第十七条第一項及び第四項の規定による報告書及び領収書等の写しの提出に係る第十二条第一項及び第十七条第一項の規定の適用については、第十二条第一項中「三月以内」とあるのは「五月以内」と、「四月以内」とあるのは「六月以内」と、同項第二号中「経費以外の経費の支出」とあるのは「経費以外の経費(第十九条の七第一項に規定する国会議員関係政治団体である間に行つた支出にあつては、人件費以外の経費)の支出」と、「五万円以上の」とあるのは「一万円を超える」と、第十七条第一項中「三十日以内」とあるのは「六十日以内」とする。

(国会議員関係政治団体に係る領収書等を徴し難かつた支出の明細書等の作成)
第十九条の十一 国会議員関係政治団体の会計責任者は、当該国会議員関係政治団体が行つた支出のうち領収書等を徴し難い事情があつたものについては、第十九条の十三第一項の規定により政治資金監査を受けるまでの間に、領収書等を徴し難かつた支出の明細書(振込明細書があるときにあつては、第十二条第二項の当該支出の目的を記載した書面。以下「領収書等を徴し難かつた支出の明細書等」という。)を作成しなければならない。

2 国会議員関係政治団体の会計責任者に係る第十六条第一項の規定の適用については、同項中「及び振込明細書」とあるのは、「、振込明細書及び領収書等を徴し難かつた支出の明細書等」とする。

第十九条の七第一項第二号に係る国会議員関係政治団体についての適用)

第十九条の十二 第十九条の七第一項第二号に係る国会議員関係政治団体については、第十九条の九において読み替えて適用する第十一条第十九条の十において読み替えて適用する第十二条第一項第二号、同条第二項及び前条第二項において読み替えて適用する第十六条第一項の規定は、第六条第一項又は第七条第一項の規定により当該国会議員関係政治団体である旨の届出をした日から適用する。

(登録政治資金監査人による政治資金監査)
第十九条の十三 国会議員関係政治団体の会計責任者は、政治団体の会計責任者として第十二条第一項又は第十七条第一項の報告書を提出するときは、あらかじめ、当該報告書並びに当該報告書に係る会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書について、政治資金適正化委員会が行う政治資金監査に関する研修を修了した登録政治資金監査人(以下この条及び次条において単に「登録政治資金監査人」という。)の政治資金監査を受けなければならない。

2 前項の政治資金監査は、政治資金適正化委員会が定める政治資金監査に関する具体的な指針に基づき、次の各号に掲げる事項について行うものとする。

一 会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書が保存されていること。

二 会計帳簿には当該国会議員関係政治団体に係るその年における支出の状況が記載されており、かつ、当該国会議員関係政治団体の会計責任者が当該会計帳簿を備えていること。

三 第十二条第一項又は第十七条第一項の報告書は、会計帳簿、明細書、領収書等、領収書等を徴し難かつた支出の明細書等及び振込明細書に基づいて支出の状況が表示されていること。

四 領収書等を徴し難かつた支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること。

3 登録政治資金監査人は、第一項の政治資金監査を行つたときは、政治資金監査報告書を作成しなければならない。

4 前項の政治資金監査報告書の様式は、総務省令で定める。

5 国会議員関係政治団体の代表者、会計責任者、会計責任者に事故があり又は会計責任者が欠けた場合にその職務を行うべき者その他総務省令で定める者である登録政治資金監査人は、当該国会議員関係政治団体について、第一項の政治資金監査を行うことができない。

6 第三項の政治資金監査報告書を作成した登録政治資金監査人である公認会計士に係る公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第三十二条第二項(同法第四十六条の十第二項において準用する場合を含む。)又は第三項の規定による調査については、同法第三十三条の規定は、適用しない。

(政治資金監査報告書の提出)
第十九条の十四 国会議員関係政治団体の会計責任者は、政治団体の会計責任者として第十二条第一項又は第十七条第一項の報告書を提出するときは、前条第三項の規定により登録政治資金監査人が作成した政治資金監査報告書を当該報告書に併せて提出しなければならない。

(電子情報処理組織を使用した報告書の提出)
第十九条の十五 国会議員関係政治団体の会計責任者は、第十二条第一項又は第十七条第一項の規定による報告書及び前条の規定による政治資金監査報告書の提出については、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項に規定する電子情報処理組織(第三十二条の二において単に「電子情報処理組織」という。)を使用して行うよう努めるものとする。

(国会議員関係政治団体に係る少額領収書等の写しの開示)
第十九条の十六 何人も、国会議員関係政治団体について、第二十条第一項の規定により報告書の要旨が公表された日から三年間、当該報告書を受理した総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に対し、当該報告書に係る支出(人件費以外の経費の支出に限る。)のうち、第十二条第二項の規定により提出すべき領収書等の写しに係る支出以外の支出に係る領収書等の写し(以下この条及び第三十二条第一号において「少額領収書等の写し」という。)の開示を請求することができる。ただし、国会議員関係政治団体でない間に行つた支出に係る少額領収書等の写しについては、この限りでない。

2 前項の規定による開示の請求(以下この条において「開示請求」という。)は、当該開示請求に係る国会議員関係政治団体を特定し、少額領収書等の写しに係る支出がされた年を単位とし、かつ、第十二条第一項第二号に規定する総務省令で定める項目ごとに区分してしなければならない。

3 開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(次項において「開示請求書」という。)を総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に提出してしなければならない。

一 開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所並びに法人その他の団体にあつては代表者の氏名

二 開示請求に係る国会議員関係政治団体の名称並びに少額領収書等の写しに係る支出がされた年及び第十二条第一項第二号に規定する総務省令で定める項目

4 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下この条において「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

5 開示請求を受けた総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、当該開示請求が権利の濫用又は公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる場合に該当するときを除き、当該開示請求があつた日から十日以内に、当該開示請求に係る国会議員関係政治団体の会計責任者に対し、当該開示請求に係る少額領収書等の写しの提出を命じなければならない。ただし、前項の規定により補正を求めた場合にあつては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

6 国会議員関係政治団体の会計責任者は、前項の規定による命令を受けたときは、当該命令があつた日から二十日以内に、総務省令で定めるところにより、当該命令に係る少額領収書等の写しを総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に提出しなければならない。ただし、当該命令に係る少額領収書等の写しに係る支出がないとき又は当該命令に係る少額領収書等の写しと同一の少額領収書等の写しを既に提出しているときは、その旨を通知すれば足りる。

7 第五項の規定による命令を受けた国会議員関係政治団体の会計責任者は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に対し、前項に規定する期間を総務省令で定める相当の期間延長するよう求めることができる。

8 国会議員関係政治団体の会計責任者は、前項の規定により期間の延長を求めるときは、第六項に規定する期間内に、延長を求める期間、その理由その他総務省令で定める事項を記載した書面をもつてしなければならない。

9 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、第七項の規定による期間の延長の求めがあつたときは、第六項に規定する期間を相当の期間延長するものとする。この場合において、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

10 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、第六項の規定により提出された少額領収書等の写し(同項ただし書に規定する同一の少額領収書等の写しが既に提出されている場合にあつては、当該少額領収書等の写し)(当該少額領収書等の写しに行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)第五条に規定する不開示情報が記録されている場合にあつては、当該不開示情報が記録されている部分を除く。)を開示しなければならない。

11 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、前項の規定により少額領収書等の写しの全部又は一部を開示するときは、第六項の規定により当該少額領収書等の写しの提出があつた日(第五項の規定による命令に係る少額領収書等の写しの全部について、第六項ただし書に規定する同一の少額領収書等の写しが既に提出されているときは、同項ただし書の通知があつた日)から三十日以内に、その旨を決定し、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し総務省令で定める事項を書面により通知しなければならない。

12 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、次の各号に掲げるときは、遅滞なく、開示請求に係る少額領収書等の写しの開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

一 当該開示請求が第五項に規定する権利の濫用又は公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる場合に該当するとき。

二 第六項ただし書の規定により、国会議員関係政治団体から第五項の規定による命令に係る少額領収書等の写しに係る支出がない旨の通知があつたとき。

13 第十一項の規定にかかわらず、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。この場合において、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

14 開示請求に係る少額領収書等の写しが著しく大量であるため、第六項の規定により少額領収書等の写しの提出があつた日から六十日以内にそのすべてについて第十一項の決定をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前項の規定にかかわらず、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、開示請求に係る少額領収書等の写しのうちの相当の部分につき当該期間内に当該決定をし、残りの少額領収書等の写しについては相当の期間内に当該決定をすれば足りる。この場合において、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、第十一項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 本項を適用する旨及びその理由

二 残りの少額領収書等の写しについて開示決定をする期限

15 少額領収書等の写しの開示は、閲覧又は写しの交付により行う。

16 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、第五項の規定による命令に違反して当該国会議員関係政治団体の会計責任者が少額領収書等の写しを提出しないときは、その旨を開示請求者に通知するとともに、その旨並びに当該国会議員関係政治団体の名称及び主たる事務所の所在地を、遅滞なく、インターネットの利用その他の適切な方法により公表するものとする。

17 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、第六項の規定により提出された少額領収書等の写しについて、これに係る第十二条第一項の報告書を保存すべき期間保存しなければならない。

18 第六項の規定により提出された少額領収書等の写し(その写しを含む。)については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律又は都道府県情報公開条例(都道府県の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該都道府県の条例をいう。)の規定は、適用しない。

19 開示請求をする者又は少額領収書等の写しの開示を受ける者は、それぞれ、実費の範囲内において、総務大臣に対する開示請求に係るものについては政令で定める額の開示請求に係る手数料又は開示の実施に係る手数料を納めなければならない。

20 前各項の規定は、国会議員関係政治団体が国会議員関係政治団体以外の政治団体となつた場合においても、第十六条第一項の規定に基づき領収書等を保存しなければならない期間、当該政治団体を国会議員関係政治団体とみなして適用する。

21 行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第十二条第四項の規定により同項に規定する特定管轄裁判所に第十一項若しくは第十二項の決定(以下この条において「開示決定等」という。)の取消しを求める訴訟又は開示決定等若しくは開示請求に係る不作為に係る審査請求に対する裁決の取消しを求める訴訟(次項において「少額領収書等開示訴訟」という。)が提起された場合においては、同法第十二条第五項の規定にかかわらず、他の裁判所に同一又は同種若しくは類似の少額領収書等の写しに係る開示決定等又は開示決定等若しくは開示請求に係る不作為に係る審査請求に対する裁決に係る抗告訴訟(同法第三条第一項に規定する抗告訴訟をいう。次項において同じ。)が係属しているときは、当該特定管轄裁判所は、当事者の住所又は所在地、尋問を受けるべき証人の住所、争点又は証拠の共通性その他の事情を考慮して、相当と認めるときは、申立てにより又は職権で、訴訟の全部又は一部について、当該他の裁判所又は同法第十二条第一項から第三項までに定める裁判所に移送することができる。

22 前項の規定は、行政事件訴訟法第十二条第四項の規定により同項に規定する特定管轄裁判所に開示決定等又は開示決定等若しくは開示請求に係る不作為に係る審査請求に対する裁決に係る抗告訴訟で少額領収書等開示訴訟以外のものが提起された場合について準用する。

(政治団体の支部に係るこの節の規定の適用)
第十九条の十七 政治団体(政党及び第五条第一項各号に掲げる団体を除く。)が支部を有する場合には、当該政治団体の本部及び支部は、それぞれ一の政治団体とみなして、この節の規定(これに係る罰則を含む。)を適用する。

第二節 登録政治資金監査人

(登録)
第十九条の十八 次の各号のいずれかに該当する者は、登録政治資金監査人名簿に、氏名、生年月日、住所その他総務省令で定める事項の登録を受けて、登録政治資金監査人となることができる。

一 弁護士

二 公認会計士

三 税理士

2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録を受けることができない。

一 第二十六条の六又は第二十六条の七の罪を犯し刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることのなくなつた日から三年を経過しない者

二 第十九条の二十二第一項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者

三 懲戒処分により、弁護士、公認会計士又は税理士の業務を停止された者で、現にその処分を受けているもの

(登録政治資金監査人名簿)
第十九条の十九 登録政治資金監査人名簿は、政治資金適正化委員会に備える。

2 登録政治資金監査人名簿の登録は、政治資金適正化委員会が行う。

3 政治資金適正化委員会は、総務省令で定めるところにより、第一項の登録政治資金監査人名簿を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)をもつて調製することができる。

(登録の手続)
第十九条の二十 第十九条の十八第一項の登録を受けようとする者(以下この条において「申請者」という。)は、同項に規定する事項を記載した登録申請書を、同項各号のいずれかに該当する者であることを証する書面を添えて、政治資金適正化委員会に提出しなければならない。

2 政治資金適正化委員会は、前項の規定による登録申請書の提出があつた場合において、申請者が第十九条の十八第一項各号のいずれかに該当する者(同条第二項各号のいずれかに該当する者を除く。)であるときは、遅滞なく登録を行い、申請者が同条第一項各号のいずれにも該当しない者であるとき又は同条第二項各号のいずれかに該当する者であるときは、登録を拒否しなければならない。

3 政治資金適正化委員会は、前項の規定により登録政治資金監査人名簿に登録したときは当該申請者に登録政治資金監査人証票を交付し、同項の規定により登録を拒否したときはその理由を付記した書面によりその旨を当該申請者に通知しなければならない。

(変更登録)
第十九条の二十一 登録政治資金監査人は、第十九条の十八第一項の規定により登録を受けた事項に変更を生じたときは、遅滞なく変更の登録を申請しなければならない。

(登録の取消し)
第十九条の二十二 政治資金適正化委員会は、登録政治資金監査人の登録を受けた者が、第十九条の十八第一項各号のいずれかに該当する者であること又は同条第二項各号のいずれにも該当しないことについて、記載すべき事項を記載せず若しくは虚偽の記載をして第十九条の二十第一項の規定による登録申請書を提出し、その申請に基づき当該登録を受けた者であることが判明したときは、その登録を取り消さなければならない。

2 政治資金適正化委員会は、前項の規定により登録を取り消すときは、その理由を付記した書面により、その旨を当該処分を受ける者に通知しなければならない。

(登録の抹消)
第十九条の二十三 政治資金適正化委員会は、登録政治資金監査人が次の各号のいずれかに該当するとき又は本人から登録の抹消の申請があつたときは、遅滞なく当該登録を抹消しなければならない。

一 第十九条の十八第一項各号のいずれにも該当しなくなつたとき。

二 第十九条の十八第二項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

三 前条第一項の規定により登録を取り消されたとき。

2 登録政治資金監査人が前項第一号又は第二号に該当することとなつたときは、その者、その法定代理人又はその相続人は、遅滞なく、政治資金適正化委員会にその旨を届け出なければならない。

(登録及び登録の抹消の公告)
第十九条の二十四 政治資金適正化委員会は、登録政治資金監査人の登録をしたとき及びその登録を抹消したときは、遅滞なく、その旨及び登録を抹消した場合にはその事由を、官報への掲載、インターネットの利用その他の適切な方法により公告しなければならない。

(登録政治資金監査人証票の返還)
第十九条の二十五 登録政治資金監査人の登録が抹消されたときは、その者、その法定代理人又はその相続人は、遅滞なく、登録政治資金監査人証票を政治資金適正化委員会に返還しなければならない。

(登録の細目)
第十九条の二十六 この節に定めるもののほか、登録の手続、登録の抹消、登録政治資金監査人名簿、登録政治資金監査人証票その他登録に関する細目については、総務省令で定める。

(登録政治資金監査人の研修)
第十九条の二十七 登録政治資金監査人は、総務省令で定めるところにより、政治資金適正化委員会が行う政治資金監査に関する研修を受けるものとする。

2 政治資金適正化委員会は、前項の研修を修了した者について登録政治資金監査人名簿に当該研修を修了した旨を付記するとともに、当該研修を修了した者に対しその旨を証する書面を交付しなければならない。

3 政治資金適正化委員会は、第一項の研修を受ける登録政治資金監査人から実費の範囲内において政令で定める額の手数料を徴収することができる。

(秘密保持義務)
第十九条の二十八 登録政治資金監査人又は登録政治資金監査人であつた者は、正当な理由がなく、政治資金監査の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2 登録政治資金監査人の使用人その他の従業者又はこれらの者であつた者は、正当な理由がなく、政治資金監査の業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らしてはならない。

第三節 政治資金適正化委員会

(設置)
第十九条の二十九 総務省に、政治資金適正化委員会(以下この節において「委員会」という。)を置く。

(所掌事務)
第十九条の三十 委員会は、次に掲げる事務をつかさどる。

一 第十二条第一項又は第十七条第一項の報告書の記載方法に係る基本的な方針を定めること。

二 登録政治資金監査人の登録に関すること。

三 登録政治資金監査人に係る研修を行うこと。

四 政治資金監査に関する具体的な指針を定めること。

五 登録政治資金監査人に対し、政治資金監査の適確な実施について必要な指導及び助言を行うこと。

六 第十九条の十六第五項に規定する権利の濫用又は公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる場合についての具体的な指針を定めること。

七 前各号に掲げるもののほか、法律又は法律に基づく命令に基づき委員会に属させられた事務

2 委員会は、必要があると認めるときは、政治資金の収支の報告及び公開に関する重要事項について、総務大臣に建議することができる。

(組織)
第十九条の三十一 委員会は、委員五人をもつて組織する。

2 委員は、非常勤とする。

(委員)
第十九条の三十二 委員は、学識経験のある者のうちから、国会の議決による指名に基づいて、総務大臣が任命する。

2 前項の指名に当たつては、同一の政党その他の政治団体に属する者が三人以上とならないようにしなければならない。

3 委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 前項の規定にかかわらず、委員は、国会の閉会又は衆議院の解散の場合に任期が満了したときは、新たに委員が、その後最初に召集された国会における指名に基づいて任命されるまでの間、なお在任するものとする。

5 総務大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、国会の同意を得て、これを罷免することができる。

6 委員のうち同一の政党その他の政治団体に属する者が三人以上となつた場合においては、総務大臣は、くじで定める二人以外の委員を罷免するものとする。

7 委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(委員長)
第十九条の三十三 委員会に委員長を置き、委員の互選によつて委員のうちからこれを定める。

2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)
第十九条の三十四 委員会は、委員長が招集する。

2 委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

3 委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

4 委員長に事故がある場合の第二項の規定の適用については、前条第三項に規定する委員は、委員長とみなす。

(資料の提出その他の協力)
第十九条の三十五 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び都道府県の選挙管理委員会に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。

2 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者であつて政治資金に関し識見を有する者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

(事務局)
第十九条の三十六 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。

2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。

3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

(政令への委任)
第十九条の三十七 この節に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

次章、『第四章 報告書の公開(第二十条―第二十条の三)』はこちら

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