外務省

政策

主要事業

不透明さを増す国際情勢に対応し,戦略的な外交を展開する。

1 日米同盟の強化と我が国の安全保障環境の整備
 ○日米同盟の強化
  ・安全保障に関する連携強化(北朝鮮など東アジア情勢への対応等)。
  ・対米発信の抜本的強化(在米日系人との関係強化等)。
  ・日米経済対話や地方レベルのグラスルーツでの取組(日本企業による米国経済への貢献に関する発信強化等)。
 ○近隣諸国との関係強化
  ・周辺国等とのネットワーク構築の推進等(日米豪,日米韓,日中韓,日米印,日豪印,日米豪印,日ASEAN,ARF等)
  ・韓国:幅広い分野で協力を推進,未来志向の関係を発展。
  ・ロシア:幅広い分野で協力を推進。北方四島の帰属問題を解決し,平和条約を締結すべく交渉。
  ・中国:「戦略的互恵関係」の下,大局的観点から関係改善を進め,安定的な関係構築を促進。
  ・太平洋島嶼国との関係強化(太平洋・島サミット)。

2 「自由で開かれたインド太平洋戦略」の具体化
 ○法の支配に基づく国際秩序の強化
  ・国際的なルール形成(海洋,北極,サイバー,宇宙等)に参画。交渉を主導すべく体制強化。国際法の発展を推進。
  ・各国の海上保安能力を強化(巡視船等の機材供与等)。
  ・アジア,アフリカでの海賊対策等に積極的に取り組み,海上安全を確保。途上国の法制度整備等を支援。
  ・大量破壊兵器・ミサイル等の拡散阻止(拡散に対する安全保障構想(PSI))。
 ○連結性の強化
  ・インド太平洋地域におけるモノとヒトの連結性強化

3 グローバルな課題への対処
 ○「人間の安全保障」の理念の下で実施するSDGs達成に向けた協力
  ・「人間の安全保障」に基づくSDGsの主流化を推進(広報・啓発活動)。
  ・途上国への支援を一層推進(保健,女性,教育,防災・津波,気候変動を含む環境等)。
  ・途上国の人材育成(JICA開発大学院連携等)。
 ○「平和の持続」への貢献
  ・紛争発生後の対応のみならず,発生・再発予防にも重点(人道支援と開発協力に,平和構築・平和維持,紛争予防支援を組み合わせ)。
  ・テロを含む国際組織犯罪対策支援,暴力的過激主義対策支援,中庸・穏健主義への支援等。
  ・大量破壊兵器を含む軍縮・不拡散外交を推進(賢人会議等)。
  ・国際的な軍縮・不拡散体制の維持・強化,原子力の平和的利用を推進。
  ・科学技術外交の推進(科学技術顧問等)。
 ○国際機関の戦略的活用
  ・安保理改革の早期実現に向けた働きかけを一層強化。
  ・安保理非常任理事国選挙に向けた集中的な選挙対策。
  ・2025年までの国連関係機関の日本人職員数1,000人達成(現在約800人,約半数がJPO出身)を目指し,
   ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度を強化。
   幹部職員増強に向け,中堅以上の日本人も送り込み。

テロ等の脅威から在外邦人や国内を守る。

1 安全対策・危機管理強化
 ○海外在留邦人・日本人渡航者の安全対策
  ・邦人被害の発生予防に向けた情報発信・啓発,これを支える情報システム等体制を整備・強化
 ○緊急事態に備えた対応能力強化
  ・テロ,政変,大規模自然災害,感染症等に備え,訓練,邦人の安否確認手段や退避手段の準備等を実施
  ・即応体制の整備・強化や緊急備蓄品の確保,業務継続のためのバックアップ体制の強化等を実施
 ○在外教育施設(日本人学校,補習授業校)
  ・テロ対策支援を継続するとともに,自然災害に備え施設の耐震化対策支援を推進
 ○海外展開する中堅・中小企業
  ・企業向け安全対策セミナーや訓練の拡充等,企業の危機管理体制を強化し,海外展開を支援。
 ○国際協力事業関係者
  ・「国際協力事業安全対策会議」の最終報告を踏まえ,ハード・ソフト両面の防護措置,研修・訓練を一層強化。
 ○在外公館警備の強靱化
  ・施設・設備の更新,防弾車配備,警備対策の強化等,欧州・アジアへのテロ拡散に対抗

2 情報収集能力・分析機能強化
 ○国際テロ情報収集ユニットの強化,情報収集・分析の強化,インテリジェンス人材の育成強化を通じて,
  在外公館及び本省における機動的な情報収集・分析の強化を図る。

3 サイバーセキュリティ・情報防護
 ○高度化するサイバー攻撃に対処するため,検知能力・監視機能等を強化するとともに,体制面においても増強を図る。

4 査証・旅券のセキュリティ強化
 ○在外公館の査証審査に必要な体制を整備すると共に,次世代査証発給・渡航認証管理システムの開発を推進。
 ○高度な偽変造対策を施した次期旅券の発行準備,次世代旅券の開発準備を開始。

5 テロ対策・治安能力構築支援
 ○海外で活躍する日本人を守り,日本国内へのテロ拡散を防ぐべく,
  テロ対策の機材供与,治安当局や法執行機関の能力強化等の支援を行う。

日本経済を力強く外交面で後押しする。

1 自由貿易の推進,自由で開かれた経済秩序の 維持・強化
 ○経済連携協定や投資関連協定の交渉を推進,国際経済紛争処理に対する体制を強化。
 ○2019年G20サミットの日本開催へ向けた取組を進めつつ,WTO,APEC,OECDの議論にも積極的に関与。
 ○日米経済対話や地方レベルのグラスルーツでの取組(日本企業による米国経済への貢献に関する発信強化等)。
 ○安定的な資源・エネルギーの確保。

2 日本企業の海外展開推進支援等
 ○在外公館,ジャパン・ハウス,ODA等を活用し,官民連携を強化し,
  質の高いインフラ・日本方式の推進や中小企業を含む日本企業や地方自治体の海外展開を支援。
 ○ODAを活用して途上国の産業人材を育成。
 ○対日直接投資を推進。

3 被災地復興対策
 ○風評被害対策(輸入規制の緩和・撤廃等)。
 ○IAEAと協力し,原子力安全強化の研修を福島で開催。

4 観光立国の推進
 ○地方の観光資源等の日本の魅力の海外への発信を強化。査証緩和を推進。
 ○観光情報発信を強化。

5 高度外国人材の育成・受入れ
 ○EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者の受入れ。
 ○外国人人材に対する日本語教育を強化。
 ○各国のトップレベル大学の理工系学生等の育成・受入れ。

6 大阪万博誘致
 ○博覧会事務局(BIE)加盟国の 支持取付けを積極的に展開。

戦略的な対外発信を維持・強化する。

1 日本の「正しい姿」の発信
 ○海外シンクタンクとの連携,外国メディアへの発信強化
  ・海外報道関係者の招へい,地方へのプレスツアーの活用等。
 ○国内シンクタンクとの連携強化
  ・外交・安全保障や領土・主権・歴史に関 する調査研究活動費等を補助,学術的研 究・対外発信事業も支援。
 ○発信力のある有識者の派遣・招へい
  ・有識者を海外派遣し講演会等を実施,海外から有識者を招へいし帰国後の発信につなげる事業を実施。
 ○「明治150年」関連事業
  ・関連展示・イベント等。
 ○ODA広報の強化

2 日本の多様な魅力の更なる発信
 ○ジャパン・ハウスの効果的活用
  ・オールジャパンで発信する拠点を運営(サンパウロ,ロサンゼルス,ロンドン)。
 ○「ジャポニスム2018」(於:仏)
 ○「ロシアにおける日本年」
  ・ロシアにおける日本紹介事業,国際交流基金事業等。
 ○和食・日本産酒類・祭り等の日本文化の魅力の発信強化,日本製品・技術等の海外展開等(ODAも有効活用)

3 親日派・知日派の育成
 ○人的交流の一層の推進(対日理解促進交流プログラム,JET,留学生)
 ○日本語教育事業・日本研究拠点の総合的育成
  ・日本語教育事業を強化(産業人材等に対する日本語教育ニーズへの対応等)。
 ○世界遺産登録及び「世界の記憶」制度改善への取組
  ・ユネスコの活動への貢献。

4 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組
 ○Sport for Tomorrow
  ・選手等の派遣・招へい(スポーツ外交推進事業)を含め,官民で途上国等に対するスポーツを通じた貢献を実施。

5 日系社会との連携
 ○中南米等の日系社会との連携及び海外移住150周年を機会 とした発信
  ・日系人招へいや現地日系ネットワーク形成支援等を通じた連携強化。

主要国並みを目指した外交実施体制の強化

1 「足腰予算」の拡充
 ○首脳等外交関連経費・出張旅費の拡充
 ○在外職員が十全な外交活動を行うための待遇の確保

2 人的体制の強化
 ○より効果的な外交の実現に向けた研修の強化(外交力,実践的知識・能力,語学力の向上 等)
 ○外務省定員の大幅な増員
 ○外交活動を支援・強化する人的体制(専門調査員,派遣員,現地職員 等)の充実・活用促進

3 在外公館の強化
 ○在外公館(実館)の新設
  ・在ベラルーシ大使館
  ・在ダバオ総領事館(フィリピン)
  ・国際民間航空機関(ICAO)政府代表部(カナダ)
 ○在外公館の警備対策強化
 ○在外公館施設の整備(国有化・老朽化対策)

国益に資するODAの更なる拡充

1 不透明さを増す国際情勢に対応し,戦略的な外交を展開する
 ○「自由で開かれたインド太平洋戦略」の具体化
  ・法の支配に基づく国際秩序の強化
    沿岸警備隊の組織・体制強化等を支援(技協)
    中古船や海上保安機材を供与(無償)
  ・連結性の強化
    通関機関の能力強化・人材育成(技協)
    離島へのレーダー整備,港湾の設備供与等(無償)
 ○グローバルな課題への対処
  ・SDGs達成に向けた協力
    保健・食糧(世界エイズ・結核・マラリア対策基金,病院建設(無償)等)
    女性・教育(UNICEF,学校建設(無償)等)
    親日派・知日派人材の育成,国際開発への知的貢献(JICA開発大学院連携(技協)等)
    防災・津波,気候変動(UNDP等)
  ・「平和の持続」への貢献
    難民支援,平和構築・国造り支援(無償,技協)

2 対テロ等安全対策・戦略的対外発信
 ○テロ対策・治安能力構築支援
  ・警察官等の能力強化(技協)
  ・空港,税関等への機材供与(無償)
 ○在外邦人の安全対策
  ・技術協力事業における安全対策強化(技協)
  ・無償事業の安全対策費(無償)
 ○日系社会との連携,2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組等
  ・日系社会との連携強化のための支援(技協)
  ・Sport for Tomorrowのための青年海外協力隊等派遣(技協)

3 日本経済を後押しする外交努力
 ○「質の高いインフラ」,日本先端技術の更なる展開
  ・港湾・交通・情報通信(ICT)・再生可能エネルギー等の日本技術を活用したインフラ整備(無償・技協)
 ○民間企業,地方自治体等の参画を得た「日本の顔の見える協力」や産業人材育成を推進
  ・日本の中小企業等の海外展開を支援(無償・技協)
  ・地方自治体と協力した上水道施設整備等(無償・技協)
  ・各国トップレベル理工系大学の学生等の育成・受入れ(技協)

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