インターネット選挙運動(ネット選挙)

インターネット選挙運動(ネット選挙)

ネット上でできる選挙運動

2013年の参議院議員通常選挙から、インターネットを利用した選挙運動が解禁となりました。
選挙期間中は、ウェブサイト(ホームページ)、ブログ・掲示板、ツイッター、フェイスブック、LINEなどのSNS、動画共有サービス(YouTube、ニコニコ動画等)、動画中継サイト(Ustream、ニコニコ動画の生放送等)などを利用して18歳以上の方が選挙運動できます。

◇ インターネットを通じて、候補者の選挙運動用ビラやポスターなどの画像やデータを掲載できます。

◇ ウェブサイトやSNS上で「〇〇候補にあなたの大事な一票をください」など具体的な投票依頼ができます。

できないこと

◇ インターネットにより頒布された選挙運動用ビラやポスターなどの画像やデータを紙媒体に打ち出して頒布・掲示することはできません。また、DVD、USBなどの電子記録媒体での頒布も禁止されています。
(公職選挙法第142条第243条

◇ 候補者、政党等は、電子メールでの選挙運動ができますが、それ以外の者はできません。また、候補者、政党等から送られてきた選挙運動用電子メールを転送することもできません。
(公職選挙法第142条第142条の4第243条

◇ 18歳未満は、インターネット選挙運動を含め選挙運動ができません。
(公職選挙法第137条の2第239条

◇ インターネット選挙運動が解禁になりましたが、選挙運動期間(公示・告示日から投票日の前日まで)以外に選挙運動は従来通りできません。
(公職選挙法第129条第239条

選挙運動または落選運動をされる方の表示義務
ウェブサイト等を利用する方法により選挙運動用または落選運動用文書図画を頒布する者は、その文書図画にその者に連絡をする際に必要となる情報を表示しなければなりません。
(公職選挙法第142条の3第3項第142条の5第1項

ネット選挙で政党・候補者・市民(18歳以上)が「できること」「できないこと」

内容 政党等 候補者 それ以外の者
ウェブサイト等を用いた選挙運動 ホームページ、ブログ等
SNS(フェイスブック、ツイッター等)※1
政策動画のネット配信
政見放送のネット配信 △※2 △※2 △※2
電子メールを用いた選挙運動 選挙運動用メールの送信 ×
選挙運動用ビラ・ポスターを添付した電子メールの送信 ×
送信された選挙運動用電子メールの転送 △※3 △※3 ×
ウェブサイト上に掲載・選挙運動用電子メールに添付された選挙運動用ビラ・ポスターを紙に印刷して頒布(証紙なし) × × ×
ウェブサイト等・電子メールを用いた落選運動※4 ○※5 ○※5 ○※5
ウェブサイト等・電子メールを用いた落選運動以外の政治活動 ○※6 ○※6 ○※6
有料インターネット広告 選挙運動用の広告 × × ×
選挙運動用ウェブサイトに直接リンクする広告 × ×
挨拶を目的とするする広告 × × ×

※1 メッセージ機能を含む。
※2 著作隣接権者(放送事業者)の許諾があれば可。
※3 新たな送信者として、送信主体や送信先制限の要件を満たすことが必要。
※4 「落選運動」について
○公職選挙法における選挙運動とは、判例・実例によれば、特定の選挙において、特定の候補者(必ずしも1人の場合に限られない)の当選を目的として投票を得又は得させるために必要かつ有利な行為であるとされている。したがって、ある候補者の落選を目的とする行為であっても、それが他の候補者の当選を図ることを目的とするものであれば、選挙運動となる。ただし、何ら当選目的がなく、単に特定の候補者の落選のみを図る行為である場合には、選挙運動には当たらないと解されている。(大判昭5.9.23刑集9・678等)
※5 現行どおり、規制されない。ただし、新たに表示義務が課される。
○表示義務。選挙運動に用いるウェブサイトなどには、電子メールアドレス、返信用フォームのURL、ツイッターのユーザー名などを表示する必要があります。(公職選挙法第142条の3第3項
※6 現行どおり、規制されない。
改正公職選挙法ガイドライン第1版より(インターネット選挙運動等に関する各党協議会)

電子メールの利用制限

候補者・政党に限り、電子メールを利用した選挙運動が可能。(公職選挙法第142条の4第1項)有権者は、禁止されていますので注意が必要です。ただし、送信先には一定の制限があり、また、送信者には、一定の記録の保存義務があります。(公職選挙法第142条の4第2項、4項

総務省が定める電子メールとは
以下の2つの通信方式によるメッセージを電子メールと定めており、フェイスブック、LINEなどによるメッセージ機能は、「電子メール」ではなく、「ウェブサイト等」に該当。つまり、有権者は、電子メールで選挙運動をすることはできませんが、LINEなどのメッセージ機能を利用することは可能です。
① 全部又は一部においてシンプル・メール・トランスファー・プロトコルが使用される通信方式(SMTP方式)
② 携帯して利用する通信端末機器などに、電話番号を用いて通信文その他の情報を伝達する通信方式(電話番号方式)

インターネットの悪用に対する罰則

インターネットによる選挙運動や落選運動では、虚偽の情報を流したり、個人の名誉を傷つけないように気をつけなければなりません。なりすまし行為や、他人のホームページに不正アクセスした場合などは厳しい罰則が課せられます。

誹謗中傷・なりすましに対する罪

虚偽事項公表罪 公職選挙法235条の2項 4年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金
名誉棄損罪 刑法230条1項 3年以下の懲役・禁錮または50万円以下の罰金
侮辱罪 刑法231条 拘留または科料

誹謗中傷、なりすまし
インターネットを利用し、候補者を当選させるため、もしくは当選させないために、真実とは違う氏名、名称、身分などを表示して通信を行った場合、処罰の対象となります。
公職選挙法第235条の5)(公職選挙法第252条第1項・第2項

虚偽事項公表罪事
当選さないために、その候補者の虚偽の事実を公表、もしくは事実をゆがめて公表した者は、処罰の対象となります。(公職選挙法第235条第2項第252条第1項・第2項

名誉棄損罪
事実を公表し、人の名誉を棄損した者は、処罰の対象となります。ただし、公職候補者の事実に関することが真実であることが証明された場合は、処罰の対象とはなりません。(刑法第230条の2第3項

侮辱罪
公に人を侮辱した者は、その事実を適示しなくとも処罰の対象となります。(刑法第231条

選挙の自由妨害罪
候補者のウェブサイトの改ざん、文書図画の毀棄など、不正に妨害した者は、処罰されます。
公職選挙法第225条第2号第252条第1項・第2項

電子計算機損壊等業務妨害罪
ウィルスを頒布したりDoS 攻撃をしたりすることで、コンピュータの使用目的に反し、人の業務を妨害した者は、処罰されます(刑法第234条の2)。

選挙でのインターネット活用における適正な利用方法について

表現の自由を濫用することにより、選挙の公正を害さないよう、適正な利用に努めなければならないとされています。
公職選挙法第142条の7

プロバイダ責任制限法の特例について

名誉侵害情報に対処するため、ウェブサイト等を利用する方法により頒布される選挙運動用または落選運動用文書図画に関し、候補者等からの申出を受けた場合の同意照会の回答期間を「2日」(現行は「7日」)に短縮されました。その後、削除同意の申出がない場合は、プロバイダがこの情報の削除を行っても、民事上賠償責任を負う必要はないとされています(改正プロバイダ責任制限法第3条の2第1号)。
また、電子メールアドレスなどが表示されていない情報削除に関しても、賠償責任は負わないこととされています(改正プロバイダ責任制限法第3条の2第2号

インターネット上の誹謗中傷を無料で削除ができる方法

ネット選挙運動が解禁になり、これまで以上にインターネットによる情報が、有権者の判断に影響を与えます。そして、知りたい情報はインターネットから検索エンジン(Yahoo、Google、Bing、等)を用いることが主流となっています。

しかしながら、検索エンジンに表示されるスレッド(検索ワードに関連した投稿の集まり)やサジェスト(予測表示機能)と言われる検索を補助する情報が偏ったネガティブなキーワードで表示していることがあります。
事実でない誹謗中傷がネット上にあった場合は、ご自身が無料で削除することができます。
ここでは、主に使われている検索エンジンのGoogle、Yahooについてご案内します。

【Google】サジェスト(予測表示機能)の削除

「グーグル コンテンツ 削除」で検索すると「Google からコンテンツを削除する」がトップに表示されます。

コンテンツを削除する
① どの Google サービスに関連する申し立てですか?
 「ウェブ検索」にチェックを入れます。

上記以外の法的な問題が発生している

② ご報告したいことをご選択ください。
 「上記以外の法的な問題が発生している」にチェックを入れます。

オートコンプリート・関連検索キーワードに関する問題があります。

③ 以下の中から選択してください。
 サジェスト(予測表示機能)の削除要請の場合
 「オートコンプリート・関連検索キーワードに関する問題があります。」にチェックを入れてください。

Google 検索結果に名誉毀損にあたるコンテンツを見つけた

④ ページ最後の下の「削除リクエストをお送りください」をクリックします。
 スレッドの削除要請の場合は「Google 検索結果に名誉毀損にあたるコンテンツを見つけた」にチェックを入れてください。
 (以下のサジェスト(予測表示機能)の削除と同様に入力してください)

法律に基づく削除に関する他の問題を報告する

⑤ 「法律に基づく削除に関する他の問題を報告する」で具体的に情報を入力します。

 ① 居住国 「日本」
 ② 氏名 「担当者名」
 ③ 会社名 「候補者の事務所名」(個人の場合は空欄)
 ④ 該当する場合は、あなたが法的権利の代理人を務める企業や組織の名前を記入してください(あなたが法定代理人の場合など)「空欄」
 ⑤ 連絡先メールアドレス 「確実に連絡がとれるメールアドレス」

権利侵害にあたるとお考えのコンテンツ
権利侵害にあたるとお考えのコンテンツ
⑥ コンテンツを見つけるのに使用した検索キーワード入力した語句は何ですか。
 〔例〕「選挙太郎」

⑦ 検索キーワードの入力中に表示された、不適切とお考えの検索候補
 〔例〕「選挙太郎 不倫」
 ※削除したいサジェスト(予測表示機能)が複数ある場合は、「さらに追加」をクリックして入力をしてください。

⑧ 権利侵害にあたるとお考えのコンテンツが表示される国
 「日本」
⑨ ご自身の国で適用される法律に従いその検索候補が違法となる理由をできる限り詳しくご説明ください
〔例〕
〇(虚偽事項公表罪) 当選を得させない目的をもって公職の候補者に関し虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処することとされ(公職選挙法第235条第2項)、選挙権及び被選挙権が停止されます。(公職選挙法第252条第1項・第2項
〇(名誉棄損罪) 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処することとされています。(刑法第230条第1項
なお、公職の候補者に関する事実に係る場合、真実であることの証明があったときは罰しないこととされています。(刑法第230条の2第3項)
禁錮以上の刑に処せられた場合、選挙権及び被選挙権が停止されます。
公職選挙法第11条第1項第2号・第3号

〇(侮辱罪) 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処することとされています(刑法第231条)。
選挙太郎は不倫をしたことがありません。表示されている検索サジェスト及びスレッドが、これらに近因しています。表示されていることにより、社会的評価 を低下させるもので早急な削除を希望します。


⑩ スクリーンショットを添付
 「問題とした表示のある検索ページのスクリーンショットを添付」

⑪ この内容に同意する場合は、チェックボックスをオンにしてください
 チェックボックスをクリックしオンにする。

署名
⑫ 署名日
 カレンダーのアイコンをクリックしてカレンダーが表示されたら、今日の日付をクリックします。

⑬ 署名
 このウェブフォームの冒頭で入力した氏名と完全に一致した氏名を入力します。

【Yahoo】サジェスト(予測表示機能)の削除

Yahooは匿名で情報提供をする為、Googleよりも入力は簡単ですが、何度も申請することになります。
Yahoo!検索 – 関連検索ワードに関する情報提供フォーム

Yahoo!検索 - 関連検索ワードに関する情報提供フォーム
① 検索結果ページのURL1
 下の「関連検索ワード」で検索した結果ページのURLを入力します。

② 関連検索ワード1
 削除したいサジェストを入力します。
 〔例〕「選挙太郎 不倫」

③ 検索結果ページのURL2
 他になければ空欄。

④ 関連検索ワード2
 他になければ空欄。

⑤ 詳細[必須]
 前記Google⑨と同様に入力します。

ヤフーへの検索結果への非表示依頼フォームはこちら

検索エンジンで検索できなくなることによって、風評被害を緩和することはできますが、サイトそのものは存在します。
サイト自体の削除は、法廷へ弁護士など代理人に委託してインターネット上の情報保全の手続きもありますが、その前にプロバイダ責任制限法に基づいた特定電気通信役務提供者(プロバイダ、サーバの管理・運営者等)に削除申請もできます。

ネガティブな情報を削除する段階的手順

一段階 内容 申請先 申請者
当事者 第三者 弁護士
検索ブラウザーのネガティブなサジェストの削除申請 google
Yahoo
検索ブラウザーの誹謗中傷記事のスレッドの削除申請 google
Yahoo

ブラウザーの検索ページには表示されないが、掲載サイトは削除されません。
しかし、サジェスト(検索補助、予測キーワード)を削除することでネガティブな表示が無くなり、掲載サイトが利用者の目に触れ難くなります。
また、第2、第3段階でプライバシーの侵害、侮辱、名誉毀損に該当する掲載サイトそのものを削除してもサジェストやスレッドは残ります。

二段階 内容 申請先 申請者
当事者 第三者 弁護士
誹謗中傷記事の削除申請 プロバイダー、サーバー管理者、運営者等
誹謗中傷記事発信者情報の開示申請 プロバイダー、サーバー管理者、運営者等

プライバシーの侵害、侮辱、名誉毀損に該当する掲載サイトそのものを削除する申請をします。
申請を拒否された場合は、司法手続きに必要な誹謗中傷記事発信者情報の開示申請をします。

三段階 内容 申請先 申請者
当事者 第三者 弁護士
誹謗中傷記事の削除申請 裁判所

プライバシーの侵害、侮辱、名誉毀損に該当する掲載サイトそのものを削除する申請をします。

SNSアカウントの2段階認証の設定について

TwitterやFacebookなどSNSのアカウントに不正アクセスされ、アカウントの乗っ取りやアカウントのロックなどをされないために、対策として最低でも2段階認証の設定は必要です。通常のIDとパスワードによる認証に加えて、認証コードを使った2段階の認証によってセキュリティを高められます。
万が一IDやパスワードが流出して第三者に知られてしまっても、第三者の不正ログインを防げます。

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